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るしかありません。そこで、女性に続く、私どもの次の取り組みを、皆様のご承認をいただいて、人口と食料にできればと思っております。
本年11月には、世界食料機構の「世界食料サミット」がローマで開かれます。“増え続ける人口を、いかに支えるのか’’という問題は、これから、ますます、重要性を増すことになります。
そこで、今回の会議の2日目には、食料と人口についてのラウンド・テーブル・ディスカッションを設けていただきました。
「飢えて、死ぬためだけに、生まれてくる子供があってはならない」。この言葉は、アジア議員フォーラムの初代議長で、設立者のお一人であった、佐藤隆先生の言葉です。飢えのない世界を割る。そして、人類が未来を築くための基礎的な条件を責任もって創りあげる。これは、AFPPDの基調であり、精神であったと思います。
食料供給の未来は、厳しいものがあります。人口は、その増加率こそ低減しつつありますが、絶対数では増加を続けております。また、この増え続ける人口と先進国の過剰な消費は、環境を劣化させており、食料生産をとりまく環境は、ますます厳しさを増しております。
人類の未来を、希望あるものとするためには、「人口の増加を抑制し、環境と調和的な食料開発をいかに果たすか」ということが、決定的な重要性を持つのです。この問題は、どんなに真剣に取り組んでも、真剣すぎることはない問題であると思います。
私たち国会議員は、各国の未来を託されたものとして、人類が生きて行くために、また私たちの子孫の未来が希望あるものとなるよう、この人類の未来を決める、問題に対して、長期的な視野に立って、責任ある判断をし行動に移さなければならない、義務を抱えているのです。
この義務を果たすうえで、環境的に生産条件が不利な地域における食料生産基盤を維持し、各国の食料を基本的に自給できる環境を確保する努力を行いつつ、輸出国とも調和の取れた協力関係を築き上げることが重要な鍵となります。
この機会に、忌憚ない議論を行っていただき、アジアの人口と食料安全保障に対する取り組みの第1歩として、いただきたいと思います。
アジアは、人口・女性問題に関しては、カイロの国際人口開発会議の前から、取り組み、世界の人口、女性問題に対する活動の牽引車となりました。
私たち、アジアに寄せられる、期待は大きなものがあります。人類の未来に影を落とす食料の問題についても、私たちの叡知を振り絞り、未来に憂いを残さない選択をしなければならないのです。
この会議が、実り多きものとなるよう活発な討議をお願いし、共に、私たちに課せられた、重い責任を担ってまいりましょう。

 

 

 

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